人生のバグに振り回されがちな人や、日常でクスッと笑って気分転換したい人へ。まじこの波乱万丈な実体験エピソードをお届け中!

第10話 まじこの友達を選別する母 

まじこのお母さんは、まじこの友達を選別する人だった。
母のそういうところが大嫌いだった。
意味がわからなかった。

3 年生ぐらいの頃、周りに家が増えてきて、子ども達も増えてきた。

お母さんは、近所の医院の奥様のことをあまり好きではなかったのは確実だった。
まじこがその時に感じていたのは、敵対視にお近い感覚だったと思う。

うちもやっと貧乏から脱皮して普通に生活ができている。
まじこの目から見ても、お金持ちではないし、贅沢はできないけれど、ボーナスの時にはちょっと大きな買い物もできた程度。
普通のサラリーマン世帯。

当然、医院の家はお金持ちで、格が違ったんよ。
医院の奥さんは派手なタイプの奥さんやった。
でもまじこが遊びに行くとちゃんと笑って挨拶をしてくれたし、なにより子供同士で遊んでいるときの干渉がなかった。

子ども同士には、親たちの格とか経済状況だとか全くそんなこと関係ない。
それでもお母さんは「あまり行くな」とまじこを止めた。
なんか嫌だったんやろな。

うちの畑みたいな土地を挟んで、隣に新しい家族が引っ越してきた。
男の子だった。
その家は両親が働いていて、日中は祖父母がいたらしい。
そこへ遊びに行くのも、お母さんはいい顔をしなかった。

まじこの家のすぐ隣にも新しく家が建った。
そこには、昔で言う朝鮮から来た兄妹が住んでいて、まじこはふつうに仲よくしていた。
その家には、お兄ちゃんと妹がいていつも大きな声で笑いながら、ドタバタして時間を忘れ
て遊んでいた。
お母さんは、それも「あかん」と言っていたんよ。

そのぐらいまじこのお母さんって人は、自分の物差しが頑なにあってまじこをそ子にはめようとする人だった。
窮屈で級筒でまじこは仕方がなかったんよ。

まじこは、そういう“線引き”が本当に大嫌いで、胸の中でむずむずと渦巻くものがいつもあった。
まじこは遊びに行くにもお母さんの顔色を見ながら行くようになっていた。

干渉されずに遊べる「外」がまじこは好き

家から少し離れた大きな道の向こう側に住んでいる兄ちゃんと男の子たちがいた。
その子達とはよく原っぱでかけっこや鬼ごっこをして遊んでいた。
その子達と顔も体も真っ黒にしながら遊ぶのが、まじこはすごく楽しかった。
家に行って遊んだりはしなかったから、どこに家があるのかは知らなかった。

でも、その子達は夕方早い時間に「風呂に行くから」と帰っていく。
夕方になるとその子のお母さんが声をかけにくる。
銭湯に行くから帰らなきゃならない。
でもまじこはうらやましかった。

時々そこのお母さんが、「まじこちゃんも入るかい?」と声をかけてくれて、銭湯についていくことがあった。
まじこの家にはお風呂はあるけれど、みんなと一緒にはだかんぼで大きな風呂でわぁわぁ騒ぎながら入るのが好きだった。
銭湯は結構大きくて本当に楽しかった。

でもある日、火事があった。
銭湯が燃えた。
大きな火事だった。

何日かして、その子らと一緒に銭湯の火事跡を見に行った。
焼け跡には焦げた小銭がいっぱい落ちていて、その子らは一生懸命拾っていた。
まじこもつられて一緒に拾った。

その少し後から、その子らの顔は見られなくなった。

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