人生のバグに振り回されがちな人や、日常でクスッと笑って気分転換したい人へ。まじこの波乱万丈な実体験エピソードをお届け中!

第34話 豊島園の謎の写真と金づち男!昭和お転婆娘の甘酸っぱ苦い失恋(?)事件簿

廊下に貼りだされた、ちっとも楽しそうじゃない写真

修学旅行が終わると、旅行中の写真が廊下にドカンと貼りだされていたんよ。
まじこも何枚か写っているのがあったけど、自分からは申し込まなかった。

だって、写真を買わなかった理由は二つ。
またお母さんからぶつぶつ文句を言われるだろうなぁってこと。
それに、この写真を見て一体誰が喜ぶんや?と考えた時に、まじこは「い~らない!」という結論に達しただけなんだけどな。

そしたら、豊島園で1人の男の子と一緒に遊具に乗っている写真が3枚くらいあったのに驚いたわ!
そもそもまじこはこういう遊具が大嫌い。
成り行きで乗っているだけやから、すでに修学旅行が終わった時には記憶すらなくなっているんよ。
どれもこれも、ちっとも楽しそうな顔はしていない。
まじこはグッとこらえたような顔をして、隣の男の子は楽しそうな顔をしている。

数日して、その男の子がまじこに3枚の写真をくれたんよ。
まじこの分も買ってくれたんやな。

「ありがとう」と受け取るんやけど、受け取ってから急に恥ずかしくなってしまった。
「なんでやろ?まじこの家は写真も買えない貧乏だと思われてるんか?」ってな。


桜の季節の初デートと、おしゃべりな伝書鳩

春、桜の季節。みんなで花見に行こうということになった。
そこはちょっとした情緒のある公園で、昔にお城があったところや。
お堀があって、小さい動物園みたいなものもあって、中には資料館なんかもあったりして、おデートには最高の場所や。

クラスの女の子から誘われて、まじこも行くことになったんよ。
結局、女の子3人くらいと、男の子が3~4人くらいやったと思う。
なんだか私服でクラスの子と遊ぶことはあまりなかったし、お休みの日にお出かけの待ち合わせをするのも初めてだったから、まじこは少し心ここにあらずになっていたわ。

ある日、よくまじことおしゃべりをする男の子がまじこのところに来て、わざわざ伝言してきた。
「バスケ部の○○君が、まじこのこと好きだって言ってるぞ!」

伝書鳩のその子はよくしゃべる子で、まじこはあんまり好きなタイプじゃなかった。
口が軽いというか、調子がいいというか。
だからそんなことを言われても、まじこは最初、全然本気にしていなかったんよ。

だってそのバスケ部の子は、3年生が卒業したらキャプテンになるモテモテの子やで。
そう、その男の子って、修学旅行の夜行列車の中でまじこの膝枕を勝手に使ってきた、あの図々しい男や!
でもそれっきり何かあったわけでもないし、修学旅行の時に行動を共にしたわけでもなし。
ただ日ごろから目が合うなとか、視線を感じていたことはあった。

だから、修学旅行の汽車の中での行動はまじこも驚いていた。
だけど本人がどうこう言ってくるわけでもないし、まじこは特に何をするということもなく、普段と同じに過ごしていたんよ。



大仏様のようなお母さんのはだかり

まじこが誰かと付き合っているとか、誰かが誰かを好きだとか、そんな話は女子の間で日常茶飯事に勝手にわいてくる話やしな。
それより、そんなことしたらまじこは家に帰って何を言われるか……あり得へん話や!
それこそ風呂場に閉じ込められて、ただじゃ終わらん話になってまう。

そりゃまじこだってお年頃やし、「あの子かっこいいな~、仲良くなりたいな~」と思う子は何人かいた。
でも、まじこからお誘いするとか話しかけるとか、そんなことはできなかったし、しようとも思わなかった。
自分から積極的にアピールする子は何人かおったで。昭和でもな。

まじこはお母さんというバカでかい壁があったし、授業中に「○○家の……」なんて先生に言われたことがあったから、そういうことに関しては多分人より強烈にブレーキをかけていたんよ。

でもな、聞いて!
ある日、そのモテ男くんがまじこに急に「一緒に帰ろ~」と言いに来たんよ。
まじこは当然、あの伝書鳩君も一緒にいるんだと思って「いいよ~」なんて返事をしてしまった。

ところが、帰るのは二人きりだった。
その子とまじこは帰り道が違うんやけど、なんとなくその子についていったんよ。

途中でその子が「手つなごう」と言ってきた。
もうまじこはビックリや!

何がって、その子とはそんなに話したこともなく、修学旅行の汽車の中でみんなと一緒に会話したり、お花見に行った時に一緒だったくらい。それ以降もそんなに話はしたことがない。
ましてその子から直接何か言われたわけではないし、まじこにしてみたら「何を急に?」と思ったんよ。

それに、もうお母さんの顔が大仏様のようにまじこの前にはだかるし、先生が言った「○○家」というのが頭の中をバンッ!と横切る。
誰がどこで見てるかわからん!という恐怖の気持ちが先に立ってしまって、
「ちょっと待って、今度な」
と返事をしてしまったんよ。

金づちを振り回したモテ男くん

それだけで、その子とはそれっきりになってしまった。

翌日、伝書鳩少年がまた伝えに来た。
「まじこ、なんで振ったんだよ。あいつ部室で金づち振り回して暴れてるぞ」

いやいや、暴れるって言われても……振るって、別に……。

その子とはそれっきり。
無視をされるようになってしまった。

甘酸っぱいというか、苦い思い出というか。
きっと、その子は自分はちゃんと思いを伝えているのに、手をつなごうと言っただけで振られたと思ったんやな。
その傷ついたプライドをいたわりたくて、まじこを無視してたんやな。

その子の中では「なき者」にされたまじこは、なんとなくずーっと気まずい思いやったわ。


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