人生のバグに振り回されがちな人や、日常でクスッと笑って気分転換したい人へ。まじこの波乱万丈な実体験エピソードをお届け中!

第16話 毎月、玄関に現れる「謎のお姉さん」の正体 

当時、まじこが不思議に思っていたことが、もうひとつあった。
それは、毎月お金を取りに来るお姉さんがいたこと。

当時のまじこから見ると、その人はすっかり大人のお姉さんで、絶対に家の中には入ってこなかった。
いつも玄関先でお金を受け取り、笑顔を見せるわけでもなく、会話を交わすわけでもない。
ただ、お金を受け取るとすぐに帰っていく。

お姉さんの正体と、仏壇の写真

家には観音扉の仏壇があった。
そこには、お母さんと同じくらいの年の女の人の写真が飾られていた。
お母さんはは毎日、ご飯とお水を取り替えていた。
たまにはまじこも手伝ったで。

まじこは「お金を取りに来るお姉さん」が、お父さんの子供であること暫くしてから知った。
そして、仏壇の写真の人は、お父さんの前の奥さんで、すでに亡くなっているのだということも。
息子さんもいるらしいが会ったことが一度もない。

けれど、なぜそのお姉さんは「お父さんの子供」なのに、ここで一緒に暮らさないのか。
なぜ、毎月お金を渡しているのか。
当時のまじこに、そんな大人の事情を知る由もなかった。

だからまじこは、しばらくの間、そのお姉さんのことを
「借りたお金を返す、借金取りの会社の人」なのだと勘違いをしていたんよ。

家に来たのに、玄関先で帰ってしまうこと。
何も会話をしないまま、お金を受け取ると帰ってしまうこと。
それが、毎月繰り返されること。

いろんな条件が重なって、ちびまじこはそう勘違いをしていた。

そう考えると、毎月、実のお子さんに生活費を渡し、姉の大学費用、まじこ達の生活費と考えるとそんなにゆとりのある生活ではなかったのかなと想像する。

ただお金を取りに来るお姉さんはどこか影あるし、息子さんはいちども顔を出したことがない。
奥さんがなくなって離別して、この暖かそうなキッチンで家族が団らんしていた思い出があれば、家の中に上がってゆっくりしていってもいいのに。
お父さんがいる時でさえ上がらない、お父さんも一切顔を出すことがなかった。
お金を渡すのはいつもお母さんだった。
そんなことを考えると、この家族も何かあったのかなと思ってしまった。

まじこが多少世間を知るようになってから、もしかすると、まじこ達が来ることが決まって追い出してしまった結果になってしまったのかなと思ったことがあるんよ。
そうじゃなきゃいいけど。

🌟まじこの一言🌟
人間の記憶って些細なことがどんなふうに将来にのこるのか。
家族が支えあって暖かく暮らしていても、何かのきっかけで亀裂が入るとすべてが押しつぶされたようよくない記憶だけが残ることがある。でもそんな記憶に押しつぶされないように新しい経験で上書きしていくのが一番の解決策じゃないかな。


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