人生のバグに振り回されがちな人や、日常でクスッと笑って気分転換したい人へ。まじこの波乱万丈な実体験エピソードをお届け中!

第31話 部活選びの基準、女子の群れる理由とまじこの境界

暫くまじこは部活プー太郎やった。

1年生の頃はみんな張り切って部活に入るんや。
まじこには「やりたいもの」と「できるもの」が別々に存在することが、身にしみてわかっていた。
だから、その後の部活選びの基準が変わっていた。

まじこはその後、得意だったバレー部にも入ったが、合宿費用やユニフォームを揃えなければならないことがのちに分かって、それもフェードアウト。
当時、仲の良かった子にさえ本当の理由を言えず。

テニス部はラケットとかユニフォームを揃えるんやなとか、バスケもユニフォームとシューズか……
結構、試合に行くから遠征費も掛かるんやとか。
吹奏楽は楽器が必要やしな。
それが選択基準だったんよ。

どう考えても親の財布の中を計算してしまうとまじこは自分の希望なんか伝えられなかったし、
たとえそのくらいならと許可を得て必要なものを購入してもらったとしても、あとで「これもしてやった」「あれも買ってあげた」って言われるのがわかったからまじこは一切言えなかった。

友達への罪悪感と、過去のトラウマ

剣道部に一緒に入ったお友達は、まじこが行かなくなったすぐあとに彼女も退部した。
彼女と一緒に部活に入り、一緒に練習していた。
クラスは違っても登下校は一緒やった。

でもまじこは、彼女にも何も言わずに勝手に部活に行かなくなったのだから、彼女にしてみたら裏切られた感が大きかったに違いない。
いつも通り朝、彼女の家に迎えに行くが、先に行っていたり「先に行ってていいよ」と言われることが多くなり、気まずくなっていた。

まじこは小学生の時に、苗字が変わったことで陰口を言われたことがあった。
そういうことがトラウマのようになって、今一歩お友達にも踏み込めないでいた。

それからまじこは、ただただ放課後の時間をつぶして、誰かに紛れて家に帰っていた。
学校にも慣れてきたころ、同級生の個性も少しずつわかってきた。

まじこは群れを作らなかったので、ある意味目立つ存在だった。
群れを作ると、群れとしては目立っても、群れの中の一人は目立たない。
でも、まじこのように群れを作らなければ、いつも「個」として存在する。
そしてまじこは帰宅部という部活を楽しむことにした。

廊下での言いがかりと、私のセンサー

でも、女子中学生は必ず群れる。
仲がいいのかと思えば、そうでもなかったり、不思議な生き物や。
トイレへ行くのも、体育の時間に体育館に行くのも、とにかく群れる。

そんなある日、まじこはとなりのクラスの女の子から急に呼び止められた。
話したことも名前も知らない女の子や。
彼女はいきなり「あんた化粧してるよね」と、廊下で大きな声でまじこに言った。

昭和の時代やで。いまのこの令和の時代なら普通にあり得ることかもしれんけど。
突然そう言われ、まじこは驚いた。

まじこは色が白かったし、まじこの血管はいつも浮き出ていて、理科室にある人体の模型のようだった。
セーラー服は胸元が少し開いているから、首から胸にかけての青い血管が皮膚を薄緑色に映していた。
腕の血管もはっきりしていたし、だから唇が少し赤くみえていたのかもしれない。

同級生からもそれを言われたこともあった。
でもそれは「すごいね、血管めっちゃ見えてるね」程度の事やった。

その声をかけられた時、その子のすぐ先には同級生の女の子が二人いて、ニヤリと含み笑いをしてこちらを見ていたのにまじこは気が付いていた。

まじこには、小さい時から鍛え抜かれた敏感なセンサーがあった。
だから当然、近寄るべきではない「レッドゾーンの人たち」がいた。
彼女二人はその中にいたんよ。

心の壁と、もう一人のまじこ

男のとも女の子とも、特に誰ということなく交流するまじこは、群れが好きな子達から見るととても違和感があって目立っていたのかもしれないな。

丁度そのころまじこは部活もなかったし、部活に入ってない男の子たちと話をする機会が増えていた。

別段目立ってかっこいい男たちでもなく、学年でいつも成績1番の静かな男の子だったり、趣味が漫画を読むことの好きな男の子だったり、理科が大好きな男の子だったり。
学校帰りの方角も一緒だったから、よく4人ぐらいで放課後を過ごしていた。

女子では、テニス部の女の子達や漫画を描くのが得意な女の子、いつもお勉強ばかりして優秀な成績の女の子とよく話をしていた。
まじこは「この人と」ではなく、いろんな同級生との時間を薄っぺらに過ごしていたんやな

いつからか、小学校の時から近所に住んでいる、しっかりしたおねぇさんタイプの女の子がいて、彼女が朝まじこを迎えに来てくれるようになった。
二人でリコーダーを吹いたり、彼女は図書部だったので、まじこは読みもしない本を図書室に借りに行っては一緒に帰ったりしていた。

ある日、何のためかは忘れてしまったが、音楽の先生から全校生徒の前でリコーダーを吹いて欲しいと言われ、その子と二人でリコーダー練習をする日が増えた。
「エーデルワイス」をリコーダーでハモって演奏するために、学校帰りや休み時間に二人で練習していた。

多分、まじこがとても深くお友達と仲良くなれなかったのは、家庭の事情が大きな壁になっていたんやと思う。
何事もみんなと同じようにはできないんだ、という思いがどこかにあったからだと思う。

なんとなくお友達と仲良くなると、互いに遊びに行ったり、買い物に行ったり、お友達の家族と交流があったり……という機会が出てくるのをまじこは分かっていて、それを避けていたんだろうと今思う。
自分で比較の対象になるものを作りたくないと思っていたんだと思う。

1つでも目立つことがあれば女の子の妬みが発生することもわかっていたし、群れを作らないと仲間にはなれないことがまじこにはわかっていた。
でも、なぜかそれができなかった。

もうその頃は、ウキウキで部活に励んでいた時のまじこと「別のまじこ」が誕生していた

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