人生のバグに振り回されがちな人や、日常でクスッと笑って気分転換したい人へ。まじこの波乱万丈な実体験エピソードをお届け中!

第17話 あの鬼姉はヒッピー族?そして姉の笑顔・・・

お向かいの材木屋さんでボヤがあった。
ボヤと言っても材木屋さんやから、規模はちょっと大きかった。

この頃は、ちょうど材木屋さんのお父さんが病気で入院している時期やった。
ボヤのあとにお家は改装したものの、その後お父さんが亡くなってしもて、商売も縮小してしまった。なんだかそこのお母さんは暗くなって家にこもるようになっていた。

そしてまじこは一緒に遊んでいた女の子とも距離を感じるようになってしまった。

姉はその頃、一人でどこかに住んでいた。
アパートを借りたのか、寮に住んでいたのかは覚えてへんけど、家にはいなかった。

姉はまじこと一緒に住んでいるときはエレクトーンを教えていた。
そのためにエレクトーンを買ってもらっていたんよ。
姉はどんだけ特別扱いやったんや。
もしかすると姉は家を出たくて、お金を貯めるためにエレクトーン教室をしたんかもしれんな。
なぜなら、そんなに一生懸命生徒を募ったり、たくさんの生徒を教えていたりした記憶がまじこにはないから。


姉の大学では学生運動が盛んで、新聞にも毎日のように載っていた。
大学キャンパスではバリケード封鎖や動隊との衝突が日常茶飯事で、授業が停止する大学もあったと聞いている。
姉は当時、女性の人権だとか差別だとかの方向性でいろんな活動をしていたみたいなんや。
そして同じような思考、人権活動を行う同志たちで営む喫茶店のような場所があった。

そこに何度か、まじこもお母さんと訪れたことがあるんよ。

店は当番制で切り盛りされていて、姉もキッチンに入ったりしていた。
姉はお母さんの手伝いなんか今までしたことがないし、料理なんかしたことがない。
なのにカレーを作っていたんや。
それだけでもまじこはびっくり仰天や。
そして、何よりもなんだかにこやかで生き生きとしているようにまじこの目には映っていた。
見た事のない姉の姿やった。

タバコ ものすごい種類の新聞 フェミニズム マルクス レーニン、三島由紀夫 ・・・異様な空間

その時代は海外でもデモや学生運動が盛んやったけど、姉がそんな活動をする目的は何だったのか。
姉が目指すもんは何だったのか。
当時のまじこには大人の世界すぎて全く理解できてへんかった。

多くの学生が、いわゆるヒッピーをまねたような服装をしていたことは、まじこの目に焼きついて
いる。
姉もその一人やった。
へぇ~いままで化粧もおろかファッションになんて気も配ったことのない姉が・・・

その場所には、学生や社会人、いろんな人が集まりみんなが顔見知りのような雰囲気やった。
普通の喫茶店ではないのがすぐにわかった。
たばこの煙が充満していて、あちらこちらにすごい種類の新聞が乱雑に置いてある。
座席の周りには多くの本が並べられていた。

活動家やマルクスやレーニン、三島由紀夫やいろいろな雑誌ゃ書籍があった。
お陰でまじこはその年でマルクスやレーニンって誰?と気づくことができた。

でもそこにいた人たちはわちゃわちゃと居酒屋雰囲気で楽しんでいるのではなく、討論、ディスカッションをしている様子だった。
きっと頭にいい人たちなんやろな。
単純なまじこはそう思った。

普通の喫茶店やったらきれいに整理整頓されているはずやけど、まじこから見てもそこが異
様な空間やったことは、今でもよう覚えている。



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